4月の短歌とか
いろんな実 種類があって 痛いなあたとえばこれはトゲトゲあるし
わからないものは忘れたことにして蜘蛛の巣がある小路を歩く
コロッケにめんつゆをかけさっぱりとするわけねーよ衣をはがせ
嫌ならば嫌と言ってもいいらしい紅茶に溶ける砂糖の触手
通りにはバケモノがいるオカルトを死にたくなって信じて向かう
学校で変だ変だと言われてたAさんの目をしてる俳優
瞬きの間に吹いたぬるい風いまならきっと仲良くなれる
人権があるのはとてもうれしいな指の隙間の光まぶしく
お互いに惹かれあってたNさんはSさんになり離れていった
さよならの密度だけなら知っていた 濾した牛乳流しに捨てる
さよならの日にあなたの身にぶちまける色のことだけ考えている
甘い言葉を言われただけで砂糖のように溶けてゆく
「助けて」となったら遅いもう遅い
五月雨は散りゆくものを沈めてく
あざやかに縄結ばれて死はそこに