willow-leaf log

ひっそりこそり

2020年5月の短歌

たいせつなひとから順に消えてゆく遮光板持ち光を覗く

 

ひそかに差し込み印刷されている自殺の文字に誰も気づかず

 

にんげんはおしゃべりだから話さないあのね神様祈りを聞いて

 

生きている人は死ぬのが嫌らしい 薄氷の上でするスケート

 

友だちを友だちだって言う強さ ずっと揺れてる針の先端

 

海に行きカニになれたらいいのになテトラポットはたぶんやさしい

 

白鳥の硝子細工を手に持てば落としてしまい破片が刺さる

 

おにぎりが百円セールの時期には道に軍手がよく落ちていた

 

笹の葉を追いかけたくて走り出すせせらぎまみれの石の歩道

 

 

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