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ひっそりこそり

2021短歌まとめ

またねとは祈りでもある鉄柵を超えた迷惑の中にある眼

 

 

ここでもがいていくしかないらしいあの自転車を見てご覧なさい

 

 

夏はもうとうの昔に過ぎたけど三ツ矢サイダー意外とうまい

 

 

コンビニはいつでも同じ味がして救われてる?救われてるのか?

 

 

空中を低空飛行する天使たち鬼ごっとか見つめている

 

 

コンビニはいつでも同じ味がしてどこまでも続いてく気がした

 

 

この川も東京に続いていくのか東京とは大きい都市だ

 

 

スシローと幸楽苑と宝島が徒歩で行けるこの町に住む

 

 

ゲームのドット絵たち積み重なるこのまま死んじゃえばいいのになあ

 

 

ギフテッドのその後なんて知らぬまま白詰草の冠作る

 

 

撤退線 すずらんの花たちずけずけと踏み潰していくような

 

 

中身として抑えているが出てきちゃうどうすればいいどうすればいい

 

 

ダイソーに行くたび部屋がダイソーになっていくんだどうすればいい

 

 

お魚が住んでる川はたのしいな実際に見たわけじゃないけど

 

 

きっと愛し合ってるのだろうよそうわかってても身体は遠く

 

 

微糖のコーヒーを飲む ほんの少しだけでもないと意味がないんだ

 

 

バラバラにしてたピースが埋まってく夏は壊したはずなのになあ

 

 

ありえんばかりの暑さの中にいて遠くなる夏見えた気がした

 

 

願ってはいけないことが積もる春桜の花を塩漬けにする

 

 

願ってはいけないことが積もってく桜の花を塩漬けにする

 

 

踏み台にされる椅子よりリビングで使われている椅子になりたい

 

 

隣人が深夜にさわぐ隣人はともだちがいてうらやましいな

 

 

エモいことなんてなにもないじゃんねという会話がエモいってことか

 

 

ありふれている愛のことたとえば髪の毛を乾かしてくれること

 

 

生活が乱れていけばいくほどに近づいてく標準体重

 

 

ずっと声さえ聞けなかった人に会う 生きてるんならオールオーケ

 

 

そんなこと言わなくても大丈夫びわの葉は身を守るようにある

 

 

背を正し手すりを握る男性の靴底に住む微生物たち

 

 

やさしさを持ち合いながら生きている月の裏の微生物のこと

 

 

ほんものがもしもどこかにあるのならそっと手にして包みこみたい

 

 

ありふれている愛のこと蝋燭のゆらぐ炎の輝きのこと

 

 

2021年は全体的に体調が悪くてぐぬ~~と言いながら布団にこもってたんですけど来年は元気になりたいです。