willow-leaf log

ひっそりこそり

2020年8月の短歌

寝たいときすぐに寝ているあの人はとても正直者なのだろう


信じるな 冬の光はすぐそこに熱源として蝋燭を持て


ゆっくりと息を吸い込み吐き出してやっと生きてる心地になった


やさしさのオブラートに包まれた言葉を飲み込み胃が痛くなる


赤色と青色が溶け混じりあう紫色の夕日やさしく


路地裏のいつもの場所の紫陽花をひさしぶりに見かけた気がした


遅すぎたことが早すぎることはなく雪はしずかに積もりつつある


日誌にはそう書いてあるはずだったひかりかかえて暮れてゆく旅


数センチ先に待ってる死のために今日も右からズボンをはいた


人が少しずつ砂へとなる海で青い破片を探して歩く


文字を書ける人すごいなあと思うガラスペンに波のような青


台風が来なかった夏すずしいと来年は覚えてるだろうか