willow-leaf log

ひっそりこそり

2020年7月の短歌

そんなんでいいのと何度もくり返す人のため光れよ太陽


大切なものなんか目に見えなくてシンクに水は満たされていく


水晶に肺が侵されてた頃はささやかな嘘も言えなかった


トンネルをくぐり抜けたさき果てなく灰 生きるって最高だった


裏返しで着てるTシャツのタグをそっと触れて知らせるやさしさ


そんなことが出来ないので死んでいく色あせていくリスポン地点


息を止め手を伸ばしてはみたけれど届かなかった届かなかった


いなくなったひとならもういないひと風ではためくワイシャツの裾


自らを傷つけるため炭酸をえいと飲みほす喉が弾ける


パラライズノックスマシン起動して液化していく推理空間


二度と選ばないということは不可能で視界に入るペン回し


コンビニからの帰途で見上げた空ものすごい勢いで明けていく


ものすごい勢いで明けていく空とディスプレイを見続ける俺