willow-leaf log

ひっそりこそり

2020年6月の短歌

流れてく風の色さえ忘れ去りキャッチボールはほど遠くなる

 

たぶんそうなんじゃないかと思ってた影踏み抜けばおとなブロイラー

 

薄暗い道をずっと歩くからビタミンAをめっちゃ摂ってる

 

誰も待っていない駅のひび割れた椅子の落書きの赤あざやか

 

素因数分解された雷の紫だけでできたワイシャツ

 

ありえない初夏の中にいる人はかつての幸せを祈っている